猫エッセイ 第168回 チャットde採譜 の可能性 日本代表決定戦は、植田さんの圧勝で幕を閉じました。 さて当日の実況中継?を生でごらんいただいた方の感想で最も多かったのが、 「記号がよくわからなかった」 というものでした。 実に、もっともだと思います(汗)。 どうしても入力「速度」が要求されるため、一部で「棋譜記号」を使っていたのですが、 記号の意味がわからない人にはチンプンカンプンだったに違いありません。 参考までに、当日の「生ログ」と、記号部分をできるだけ文や単語に置き換えた 「編集ログ」とを並べて置いてみました。 <リンク> こんなふうに、あとから記号を単語に「置換」すれば、読みやすくなります。 リアルタイムではどうしても記号化は避けられませんが、 「凡例」をあらかじめ表示してあれば、ある程度は閲覧者にもわかるかもしれません。 そこで今回は、データ入力の際の 「入力効率の良い」「凡例を見ればある程度閲覧者にも理解できる」記号体系、 というものを探ってみましょう。 まず、入力環境の確認。 ・ノートパソコン1台(バッテリー容量のあるもの又は電源確保) ・入力ソフト(ブラウザレベルの入力媒体。チャットで十分だが他人がログを流すと困るので入力制限必要) ・視界良好で盤上が死角なく見えるポジション(席)。 ・(リアルタイム配信の場合)ネット環境。無線LANなら付随機器等は不要。 続いて、入力者の条件。特別なスキルは必要ありません。 ・普通にチャットができる人(ブラインドタッチは必須) ・モノポを知っている人(さすがにルールも知らない人は無理) おそらく「モノポラなら誰でもできる」に等しいでしょう。 複数人数がいれば、「実況」「解説」に分かれて展開予想などもすれば面白いかも。 (交渉が長引いているなど特定のタイミングじゃないとできないでしょうが) そして今回のメイン。棋譜記号。 紙媒体(手書き)については、ある程度記号体系が整っているようですが、 やはり条件がいろいろ違うため、キーボード入力についてそのまま転用はできません。 今回は媒体にチャットを使いましたが、キーボード入力の場合に手書きと違うなと感じたのが、 ・限りなく1次元入力に近くなる(カーソルを動かしての訂正や編集はやってる暇がない) ・記号の一部(交渉保留の「△」、負債交渉の「↓」など)は変換不要な記号に置き換えたほうがよい ・入力や発信後に訂正ができない といったことです。(まあ最後のは訂正文を打つしかないのですが) 以上をふまえた上で考えると、以下のような感じかなあ。 一部紙媒体棋譜と同じものもあれば、変えたものもあります。これでほとんどの処理は大丈夫でした。 ●基本コマンド:購入はb、競売はa、ぞろ目は> ●選手名:アルファベットならABCよりも頭文字(例:「一郎」なら「ichi」、重複なければ「i」) ●特殊な移動:チャンスカードの移動は「〜」、刑務所がらみの移動は「=」 ●交渉:「誰が誰に交渉を申し込んで」「条件を提示して」「成立有無の結果が出る」  という3段階の流れに沿った入力ができるように(カーソルの移動不要)、  「持ちかけ人名>相手名 条件 ×」のように。 ●複雑な展開:平行交渉、破産救済、いったん保留などはそれ自体時間がかかるはずなので日本語ONで対応 忙しいときには日本語変換をオフにして(変換キーを押す手間を省いて)高速入力、 時間に余裕のあるときは、日本語オンにして文によるコメントを書く。といったかんじ。 スピードモード、まったりモードを切り換えるということです。 まったりモードは説明不要でしょうから、スピードモードについてもう少しだけ。 具体例を見たほうが早いでしょう。 例1: 「太郎さんは(フリーパーキングから)1ゾロを振ってチャンスで「次の公共会社へ進め」を引き、 水道会社へ進み、売っていたので購入。続けて3ゾロを振ってペンシルバニア通りを競売に出し、 次郎さんが310ドルで落札、更にぞろ目を振ったので刑務所へ収容となりました」 ↓ 「t22~28b>34a 310j =10」 振る前の位置は(前ターンを見ればわかるので)省略、3回目のぞろ目で具体的に出た数字も省略です。 注1: 3回目のぞろ目で出た数字が何だったのかというのは意味がないので記録しません。 (レポート文を書くときには場合によっては重要でしょうが) またレッド付近から3回目を振ったときに「刑務所へ行け」に止まったのかぞろ目だったのかわからなくなりますが それも記録上必要ない情報とみなしてばっさり切ります。 例2: 「三郎さんは四郎さんに交渉を持ちかけ、鉄道を出すので赤とオレンジをくださいと提示します。  四郎さんは2色は出せないと答え、赤に100ドル、ないしはオレンジに50ドルならといいます。  三郎さんは、では私に鉄道を下さい、現金で500で買いますと逆提示。四郎さんは550なら売りますと提示。  最終的に三郎さんが現金520ドルで鉄道を購入しました」 ↓ 「sa>si rr=re+or si>re+100 or or+50 sa>500=rr si>550 sa>520 ok」 交渉提示者側を左において条件内容をイコールで結ぶ。記号>で主語をはっきりさせる。 数値の変更などはそこだけ記述。 注2: この書き方だと例えば「リーディング、BOの2枚の鉄道を持っている人に対してBOだけくださいと提示」 のな交渉は表現しきれませんが、そのような提示自体まれですので、そういうときだけ25と番地で書くなり すれば十分に対応できます。基本はあくまで「頻度の高いパターンを簡素化」です。 さてこのネット中継の試みは、更にバージョンアップして実行予定です。 上記を踏まえて精度アップをもくろみますが、同時に「閲覧者への配慮」も可能な限り行いたいと考えています。 一見矛盾しそうなこの2つの目的をどうやって融合・達成させるのか、 更なる進化がなるかどうか、 (世界大会…はちょっと難しいかもしれないけど) その後のネット中継の展開にも、乞うご期待! (と、自分にプレッシャーをかけてみる・・)